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執筆者の写真Yuki

ホーリーヘッドまで

マニズでの不思議な体験をして、時間を見るとまだ戻るには早い時間。もしかしたら頑張ればもう一つの端、ホーリーヘッドまで行けるのでは、と思い切ってホーリーヘッドまで目指して見ることにしました。


ホーリーヘッドは、その名の通り、聖なる先端、そしてここからダブリンまではほど近くフェリーも出ているようでした。大きなフェリーターミナルがあり、ここで鉄道は終点を迎えます。まるで青森の青函連絡船のようでした。大きなケルティック・ゲートウェイ・ブリッジもあり、ウェールズがケルトの一部であることを感じました。


ホーリーヘッドの街中でトイレを探してぐるぐる回っている内に、少し街に詳しくなりました。これまで見てきたウェールズの街並みよりも少し都会的な感じがしました。やはりアイルランドへの玄関口で行き来が多いからでしょうか。途中、マリーナや、防波堤まで寄り道をして、目指す最先端、サウススタック灯台を目指しました。


サウススタック灯台までは、ほぼ迷うこともなく、立ち往生することもなく、無事に到着することができました。土曜日ということもあり、コロナ禍とはいえたくさんの観光客がいました。灯台までは歩いていきますが、残念ながら、コロナのため開館はしておらず、ゲートは閉まっていました。中には、潜って歩いて進む人もいましたが、ここからの道のりは長そうなのでここで終了、としました。



もうこの先には何もありません。美しい灯台があるだけです。素晴らしい景色に圧倒されながら、帰りの道を目指しました。気がつけば随分と遠くまで来てしまいました。日が暮れるまでにはとても帰れそうもありませんが、来て良かったです。


そして、帰りの道、灯台の近くの何もない道にポツリポツリとある家の庭で、少年がひたすらサッカーの練習をしていました。一人で壁打ち、リフティング、延々とやっていました。この少年はきっとどんなに上手くなっても、チャンスは明らかに少ないだろう、と思いました。試合をするにもグランドがない、学校までは何キロも先。それでもこの少年は、何の迷いもなく、ただ楽しそうにひたすら練習をしていました。


そんな叶わぬ夢を追い続ける少年に、なぜか心を奪われ、帰路を急ぎました。

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