珠洲で最後の最後にきた可能性にワクワクしながらも、まずは、羽咋を目指すことが大事でした。すでにいなむら不動産の稲邑さんには大変お世話になっていたので、断りずらいところもありましたが、まずはお会いしてきちんと対応しないと、と思って先を急ぎました。
羽咋に入ると少し見慣れた光景です。里山海道から羽咋に入るあたりからの丘陵を下りながら右手に見える海岸線はウェールズの景色によく似ています。天気も柔らかく温かい印象です。まだ少し時間があったので、朝一番の氣多大社を参拝しました。
いなむら不動産に時間少し前に到着すると、もうすでに稲邑さんは事務所でお待ちでした。そして、机の上の北國新聞を指して、「記事読みましたよ。」ということで会話が始まりました。元日本郵船に勤めてらっしゃっただけあって、頭もよく、背も高く、話も上手で、若い頃はモテただろうと思われる思い出話をしてくださいました。気さくなお爺さんですが地元では相当の実力者です。そんな方にお世話になっていたので、なかなかお断りするのもどうしようか、と思いながら、まずは物件を見て回ることになりました。
羽咋での物件は、羽咋市役所に近く、商工会議所にも近い場所で、家賃を考えてもいま考えられる物件ではベストなものでした。車も一台軽自動車が止められ、倉庫は道に面しており、パレットで入庫するにも手間がかからなそうです。中の施設は古くはありましたが、掃除して整理すれば、どうにか暮らせそうでした。3階建で屋上もあり、一人で住むには広すぎるくらいです。花屋さんが倉庫として使ってらっしゃる物件でした。
また、もう一つ、紹介してもらっていたのは、先ほどの丘陵の丘の上の方にある物件で、リフォーム済みの中は綺麗な物件でした。一階が車庫になっているのですが、残念ながら鍵がかけられないオープンな車庫。これではおそらく税務署からの認可が難しそうです。なかなかいい物件ではあったのですが、断念しました。
羽咋の物件はいずれもなかなか良い物件でしたし、何しろ地元の実力者のおすすめとあって、残念ではありましたが、やはり奥能登で拠点を考えなくては、と思い、今回は検討させていただきます、とだけして、その場での即答を避けました。
何と無く稲邑さんもわかってらっしゃったような雰囲気で、また連絡ください、とだけ仰っていただけました。
予定通り、かほく市も内灘町も羽咋市も全部断って、自分としての任務を終えたのか、本当にこれでよかったのか、と胸が痛みながら、のと里山空港に昼前には到着しました。これで今回の旅も終わったか、とレストランでぼーっとしていました。
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