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執筆者の写真Yuki

聖域でみたもの

いよいよリーン半島が近づいてきました。だんだんと民家もまばらになっていき、ほとんどが草地になってきました。そして道はどんどん狭くなり、車が一台通るのがやっと。すれ違う度に、適当な場所で一旦停止をしながら、手を挙げて挨拶を交わしながら進んで行くという状態です。もしも、タイミング悪く、向かいから車がやってくると、適当なところまでバックしてやり過ごさなければいけない道。半ば祈りながら、最終到達地点を目指しました。


どうにか、立ち往生することもなくすり抜けると、最後のキャンプ場に駐車することができました。ここから先は、歩きで丘を登ります。気がはやる中、駆け足で、丘の頂上を目指すも風が強くて息が切れそうです。何もない静寂と、鳥の声だけが聞こえる世界。


丘を登り切ると、目の前には、アイリッシュ海が広がり、遠くにバージー島が見えました。

その光景はなんとも言えない世界でした。青い空、青い海、地の果て。


ようやく辿り着いたその聖域で、何か特別なものを感じずにはいられませんでした。

何度か危ない思いもしながら、迷い道もなく、なぜか大きな事故もなく、無事にたどり着けたのは、何かに導かれていた、としか思えない不思議な体験でした。


そして、空を見上げると、大きな大きな飛行機雲が、まるで大きな龍が真上を飛んでいるように、お腹を見せているようでした。



そう、ここはドラゴンの国、ウェールズ。レッド・ドラゴンがブリトンを表す龍なのです。そして、能登も白龍、黒龍の伝説があるところ。不思議な龍伝説の繋がりを感じ、ますますこの縁を大事にしなければと丘の上で誓ったのでした。

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